2025年11月6日木曜日

原稿用紙への回帰


 ものすごく久しぶりに、オリジナルの漫画原稿を進めている。といってもネーム自体は、何年も前からWEBにアップしているんだけど。

 言い訳ではあるけれど、漫画を描く時間は本当に取れない。けれど、取れない取れないと言っていたら永遠に描けないので、少しずつでも仕上げる事にした。残り30数ページ、いったい完成はいつになるのか見当もつかない。

 その点、小説は本当に早い。漫画に比べれば労力は10分の1くらいだ。もともと文章を書くのは苦にならないので、漫画を描けない間に小説を書くのは、いい経験になった。

 今後も、漫画と小説は両方続けていこうと思う。先の日記でも書いたけれど、漫画向きの作品と小説向きの作品があって、一長一短だからだ。よくロボットものやヒーローものの小説があるけれど、個人的にはどうも、いちばんコストがかからないからという理由で制作されているように思う。

 藤子・F・不二雄の享年は62歳。仮に同じくらいの年齢で死ぬとしたら、僕ももうそれほど時間が残されているわけではないかも知れないし、もっと早く死ぬかも知れない。これから、どれほどのことができるか。何作、描き遺せるか。ダメージ・リミテーションだ。やれるだけやってみよう。

2025年11月2日日曜日

【小説作品紹介】Light Years

 2022年よりWEB上で発表してきた小説作品を紹介していきます。

 ひとつめは2023年に書き上げた、女子高校生5人のフュージョンバンドが主役の「Light Years」。全187話で完結。


【ストーリー】
 主人公・大原ミチルは、南條科学技術工業高等学校フュージョン部に所属する2年生。キャンディ・ダルファーに憧れてアルトサックスを学んだミチルは、その演奏能力と行動力でバンドメンバーを引っ張ってゆく。
 ある日、ミチルは顧問の竹内から、フュージョン部は同好会への降格から廃部というルートが、職員会議の結果ほぼ規定路線となっている事を告げられる。提示された存続の条件は、ほとんど実現不可能な内容だった。

 肩を落とすミチルがひとりクラブハウス前を歩いていると、ふと今まで立ち入ったことのない、旧校舎時代の古いクラブハウスから、マイ・ケミカル・ロマンスの曲が微かに聴こえてくる。古びたアルミフレームのドアに手をかけたミチルに、ひとつの出会いが訪れ、ミチルたち「ザ・ライトイヤーズ」の物語が動き出すのだった。


 本作は2019年に描いた、パイロット版の漫画ネームが原案です。村治薫という物語のキーキャラは、漫画でミチルと同学年だったのが、小説ではひとつ下の後輩になっています。ロックバンドやジャズの作品は沢山あるものの、フュージョンというそれまで誰も題材にしてこなかったジャンルを主役に据えて、どう物語を展開させればいいのか? という不安はあったのですが、むしろそのマイナーさを逆手に取ればいいのではないか、と考えたら、すんなり物語の骨子が決まりました。
 せいぜい10万文字で、部活存続問題に決着がついたあたりで終わるつもりだったのですが、どうもここでは収まりがつかない、このキャラはもっと掘り下げたい、と考えているうちに、約115万文字にまでなってしまう事に。序盤で終わるはずだった、という点だけは銀河英雄伝説と同じだったりします。サイドキャラも話を追うごとに増えていって、数えていませんが、たぶん60人は下らないかと思います。100人は行ってないはず…

 せっかく書いたのだからと、その年のWEB小説大賞に応募し、一次選考は通過したものの二次で落選。まあ、小説を書き始めて2年目にしては、健闘したのではないかと思います。落ちた原因は文字数(単行本9〜10巻分)もあったのではないか、と今では思います。

 音楽理論の知識はほとんどなかったので、執筆中はわからない事を調べるのが大変だったんですが、その過程で僕自身も色々知ることができました。物語はフュージョンを軸として、小説の体裁を装った僕の好きな音楽のプレイリストのような内容になっています。そこに主人公や様々な登場人物や事件を絡め、悲喜こもごもの青春群像劇に仕上がったのではないか、と思います。ある読者さんからは、これこそ真の青春ドラマだ、と評していただきました。この場を借りて、お礼申し上げます。

 興味をお持ちいただけた方は、ぜひご一読ください。作品中に登場した一部楽曲のプレイリスト(Spotify)もまとめてあるので、聴きながらお読みいただければと思います。


2025年11月1日土曜日

七年漂流記


ここで最後に投稿したのが何と7年前。その間まあ色々と右往左往して、そのわりに何も達成できてないのが相変わらずの自分ではある。画像はゆうべRedditにアップしたハロウィンネタ。

Twitterはもう、Xになったあたりでやめてしまった。アカウントはそのままだけど、流れてくるポストのあまりの低劣さにウンザリしてしまった。朝から晩まで政治論争してて、時間がもったいないと思わないのだろうか。国の頭が代替わりするたびに、総理バンザイの大政翼賛会。

そうぼやく僕は何をしていたのかというと、まだ新型コロナが流行していた2022年より、人生初の小説をWEBにアップし始めた。


ペンネーム「塚原春海」は気に入ったので、しばらくこれで行く。なろうをメインに掲載してはいるが、なろうで主流の作風にはかすりもしていない。単にユーザーが多いから利用しているだけで、ほかにもカクヨム等にマルチ投稿している。ちなみに実績は2023年、『Light Years』という女子高校生がフュージョンバンドをやる作品が、ネット小説大賞で一次選考を通っただけで、それ以外はまるで読まれていない小説をコソコソと書き続け、4年弱で全作品トータル380万文字くらい(たぶん)になってしまった。最初の年にアップした「メイズラントヤード魔法捜査課」「絶対零度女学園」の2作品は、現在更新休止中。今は初のSF作品であるエリコの方舟」を連載中、だいたい70万文字くらいで完結できればと思っている。他にも試しに書き始めて、しっくりこないので放置中の作品がちらほら。

そもそも小説を書き始めたのは漫画を描く時間がなかったからなのだが、始めてみると作品によっては小説の方が向いていることがわかった。特に、前述の音楽ものと小説の親和性がこれほど高いとは思わなかった。漫画で音楽の演奏シーンを描くと、楽器の音は擬音で表すしか方法がなく、案外間抜けになってしまう。

漫画やイラストは相変わらずチマチマと描いてはいるが、全く何の成果もあげられていない。昔、青木雄二から将来性ありと太鼓判を押されたのだが、僕がバカだったせいで将来が一向にやって来ず、結婚もしないまま歳だけ食ってしまった。もう死んだほうが自分のためにも世のためにも良さそうだが、こんなろくでなしでも死んだら迷惑をかける人はいるので、そうもいかない。

エンタメ方面だと、2017年頃からリトルウィッチアカデミアにはまって以降、TRIGGER作品はいちおうチェックしている。グリッドマン、ダイナゼノン、プロメアは良かった。アニメは1話か2話で切るパターンが多い。期待した魔神創造伝ワタルは1話でもうだめだった。
ゲームは原神が楽しいけれど、育成が面倒くさすぎて放置中。もっぱらイース、テイルズ等の買い切りが中心で、Gravity DazeやBlood Stainedなども良かった。今はSteamでスケボーゲーム「Skate.」のアーリーアクセス版をプレイ中。

まあ正直言って、もう色々と疲れてきてはいるのだが、まだできる事もあるとは思うので、ここも時々更新していこうと思う。

2017年12月23日土曜日

若林博士博士の研究室 2017Xmas 1P拡大スペシャル



少々早いけどメリークリスマス。

なおキリスト餅は実在します。五平餅のような見た目で、味も五平餅のようであり、要するに五平餅なのではないかと思うのですが、キリスト餅なのです。

2017年10月8日日曜日

【WEB漫画】若林博士の研究室:モノに歴史ありの巻





20年以上前、グラハム・ハンコック、ロバート・ボーヴァル、ジョン・アンソニー・ウエストといった人々が、「紀元前1万年以上前に高度な文明があった」可能性を説きました。

特に有名なのは、それらの主張をまとめたグラハム・ハンコックの「神々の指紋」でしょう。同書はあっという間にベストセラーとなり、多くの読者を生み出し(僕もその一人でした)、また多数の反論を招き寄せる事にもなりました。

例えば、スフィンクスの体や、スフィンクスがある囲い地の壁面に縦に走る深い溝は、地質学的には雨による浸食であると一目瞭然だそうです(雨刻と呼ばれる)。そして、それほどの侵食を起こすような長期で強い雨は、地質学的には紀元前1万500年頃の、氷河期の終りの時代にしか降っていない、というデータがあります。

つまり、スフィンクスが造られたのはそれより前の時代である。これは小学生でもわかる論理ですが、マーク・レーナーといった主流派の考古学者は猛烈に反発しました。ここ日本の、吉村作治氏といった学者も同様です。紀元前1万年以上前に、スフィンクスを造れる文明など存在しない、それが主流派の合言葉でした。

ところが近年、漫画でも触れたトルコのギョベクリ・テペや、インドネシアのグヌンパダンといった、年代測定の結果、紀元前1万年、あるいは2万年以上前にまで遡る巨石遺構が次々と発掘されています。いまから1万2千年以上前に、巨石を加工できる人々が間違いなく存在した、という動かぬ証拠です。
しかもギョベクリ・テペは全体の5%しか発掘が進んでおらず、今後の調査ではもっと年代が遡る可能性さえ出てきています。

これは、オカルト雑誌の与太記事ではありません。学問的に得られたデータが、想像を超える時代の文明の存在を示している、ということです。

僕はこの事実に、興奮を覚えずにはいられません。今まで学んできた「事実」が、実はみんな間違っていたのかも知れない。20年前にはまだ不確かだった説を、補強するデータが次々と集まり始めているのです。


追記:作品内の年代測定法は、漫画のためにとんでもなく簡略化したもので、実際は様々な原理の測定法が存在します。また、炭素14法は条件によって、特定できる年代に限界があるとされています。それでも技術が進んで、今では三万年くらい前まで測定できる事もあるようです。


2017年8月7日月曜日

【WEB漫画】若林博士の研究室:バックでアップアップの巻




こっちのブログ更新はだいぶ久々になってしまいましたが…
内容的にはつい最近、ツイッターでDL音源とか、電子書籍だとかのデータ保存に関する話題が流れてきたのがきっかけです。

最近は僕も、ダウンロードした音源がかなり増えてきました。HDDが飛ぶのが怖いので、買ったら即、BD-RやDVD-Rにも分散してバックアップを取っています。
電子書籍で、絶版になっている漫画なども購入していますが、ツイッターでは「電子書籍はアトラクションと同じだ」という意見があって、なるほどと思いました。サービスが切られれば、救済措置がない限り読むことはできなくなります。これは怖いです。このへんは、何らかの法整備の必要があるのではないでしょうか。

アメリカなどでは、カラー映像作品のデータを3本の銀塩フィルムにR、G、Bに分けて保存するという動きがあります。これは銀塩フィルムの耐久性に着目したもので、非常に進んでいる考えだと思います。

歴史的に見ると、もっとも長くデータを記録して残しているメディアは、シュメールの粘土板などが代表格でしょうか。実はもっとすごい物もあるのですが、それは次回のエピソードのネタにします。それも含めようかとも思ったのですが、あまりに難解になってしまうのでやめました。

データを長く保存するというのは人類永遠のテーマですが、中東ではアレクサンドリア図書館、南米ではマヤ・アステカ等の記録が、植民地化される過程で無数に燃やされてしまいました。それらのデータが残っていれば、ギザの大ピラミッドの謎も、南米にニグロイドの顔の彫刻がある謎も、全て解けていたかもしれません。


いま僕らが読んだり見たりしている漫画・アニメ等は、いったいいつまで残すことができるのか?という事を時々考えます。