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2017年10月8日日曜日

【WEB漫画】若林博士の研究室:モノに歴史ありの巻





20年以上前、グラハム・ハンコック、ロバート・ボーヴァル、ジョン・アンソニー・ウエストといった人々が、「紀元前1万年以上前に高度な文明があった」可能性を説きました。

特に有名なのは、それらの主張をまとめたグラハム・ハンコックの「神々の指紋」でしょう。同書はあっという間にベストセラーとなり、多くの読者を生み出し(僕もその一人でした)、また多数の反論を招き寄せる事にもなりました。

例えば、スフィンクスの体や、スフィンクスがある囲い地の壁面に縦に走る深い溝は、地質学的には雨による浸食であると一目瞭然だそうです(雨刻と呼ばれる)。そして、それほどの侵食を起こすような長期で強い雨は、地質学的には紀元前1万500年頃の、氷河期の終りの時代にしか降っていない、というデータがあります。

つまり、スフィンクスが造られたのはそれより前の時代である。これは小学生でもわかる論理ですが、マーク・レーナーといった主流派の考古学者は猛烈に反発しました。ここ日本の、吉村作治氏といった学者も同様です。紀元前1万年以上前に、スフィンクスを造れる文明など存在しない、それが主流派の合言葉でした。

ところが近年、漫画でも触れたトルコのギョベクリ・テペや、インドネシアのグヌンパダンといった、年代測定の結果、紀元前1万年、あるいは2万年以上前にまで遡る巨石遺構が次々と発掘されています。いまから1万2千年以上前に、巨石を加工できる人々が間違いなく存在した、という動かぬ証拠です。
しかもギョベクリ・テペは全体の5%しか発掘が進んでおらず、今後の調査ではもっと年代が遡る可能性さえ出てきています。

これは、オカルト雑誌の与太記事ではありません。学問的に得られたデータが、想像を超える時代の文明の存在を示している、ということです。

僕はこの事実に、興奮を覚えずにはいられません。今まで学んできた「事実」が、実はみんな間違っていたのかも知れない。20年前にはまだ不確かだった説を、補強するデータが次々と集まり始めているのです。


追記:作品内の年代測定法は、漫画のためにとんでもなく簡略化したもので、実際は様々な原理の測定法が存在します。また、炭素14法は条件によって、特定できる年代に限界があるとされています。それでも技術が進んで、今では三万年くらい前まで測定できる事もあるようです。


2017年8月7日月曜日

【WEB漫画】若林博士の研究室:バックでアップアップの巻




こっちのブログ更新はだいぶ久々になってしまいましたが…
内容的にはつい最近、ツイッターでDL音源とか、電子書籍だとかのデータ保存に関する話題が流れてきたのがきっかけです。

最近は僕も、ダウンロードした音源がかなり増えてきました。HDDが飛ぶのが怖いので、買ったら即、BD-RやDVD-Rにも分散してバックアップを取っています。
電子書籍で、絶版になっている漫画なども購入していますが、ツイッターでは「電子書籍はアトラクションと同じだ」という意見があって、なるほどと思いました。サービスが切られれば、救済措置がない限り読むことはできなくなります。これは怖いです。このへんは、何らかの法整備の必要があるのではないでしょうか。

アメリカなどでは、カラー映像作品のデータを3本の銀塩フィルムにR、G、Bに分けて保存するという動きがあります。これは銀塩フィルムの耐久性に着目したもので、非常に進んでいる考えだと思います。

歴史的に見ると、もっとも長くデータを記録して残しているメディアは、シュメールの粘土板などが代表格でしょうか。実はもっとすごい物もあるのですが、それは次回のエピソードのネタにします。それも含めようかとも思ったのですが、あまりに難解になってしまうのでやめました。

データを長く保存するというのは人類永遠のテーマですが、中東ではアレクサンドリア図書館、南米ではマヤ・アステカ等の記録が、植民地化される過程で無数に燃やされてしまいました。それらのデータが残っていれば、ギザの大ピラミッドの謎も、南米にニグロイドの顔の彫刻がある謎も、全て解けていたかもしれません。


いま僕らが読んだり見たりしている漫画・アニメ等は、いったいいつまで残すことができるのか?という事を時々考えます。