2025年11月10日月曜日

【小説作品】メイズラントヤード魔法捜査課


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【ストーリー】
 聖暦1878年、海に浮かぶ連合王国のひとつ、メイズラント。産業革命と科学の発達によって蒸気機関や電話、自動車などが発達したこの王国で、ある時期を境に、科学では説明不可能な奇怪な事件が頻発した。

 炎天下の石畳で凍結したまま、一向に溶けない女の死体。誰も登ることのできない鐘楼の、避雷針に突き刺さって死んでいた男。豪華なベッドごと、ギロチンにかけられたように切断された資産家。換金する直前、まったく同一の筆跡で10倍に書き換えられていた小切手。
 
 何千年もの昔に魔法が存在し、魔女によって拓かれたという伝承が残る土地で起こる、不可思議な事件の数々を、いつしか人々はこう呼び始めた。

 ――魔法犯罪、と。

 これは、奇怪な事件に立ち向かう三人の刑事の物語である。


 2022年から執筆を始めた、著者初の小説作品です。全体としては長編ですが、エピソードごとに6万〜10万文字前後で完結しているので、登場人物の時系列要素を除けば、いちおうどのエピソードからも読めるようになっています。
 概要からわかる通り、本作品の主軸は「魔法」です。おそらくミステリには邪道である筈の要素を、あえて持ち込みました。作品のコンセプトは、読んでいただければわかると思います。

 主人公は三人。もとメイズラント警視庁・重犯罪課の刑事アーネット・レッドフィールド巡査部長、もと国家情報局員ナタリー・イエローライト巡査、そして10歳で大学を卒業した天才魔法少年、アドニス・ブルーウィンド特別捜査官。新設された部署「魔法犯罪特別捜査課」に配属されたこの三人が、ある手段によって魔法を悪用して行われた犯罪を捜査する、という展開が基本になります。
 アーネットとナタリーは大人になってから基礎的な魔法を習得しただけで、本当の意味での魔導師はアドニス、通称ブルーただ一人という設定。
 
 主な舞台は、メイズラント王国の首都リンドン。19世紀ロンドンをイメージした架空の都市です。シャーロック・ホームズの世界に魔法が登場する、と考えればわかりやすいでしょう。イギリスの探偵ドラマのような、湿度と陰のある展開をイメージしたのですが、書いてみるとどうも、アメリカのポリスコメディに近い雰囲気になってしまいます。
 もともとは昔、漫画用に切って没にしたパイロット版ネームが原作なのですが、むしろ小説の方が向いている、と気がつきました。

 実は根底に、とある大好きなドラマ作品のイメージが横たわっているのですが、気付いてくれた読者さんは今のところ一人もいません。時間つぶし程度に読めるものにはなっていると思うので、お暇ならご一読いただけると嬉しいです。

 作者として今いちばんお気に入りのエピソードはこちら。

2025年11月6日木曜日

原稿用紙への回帰


 ものすごく久しぶりに、オリジナルの漫画原稿を進めている。といってもネーム自体は、何年も前からWEBにアップしているんだけど。

 言い訳ではあるけれど、漫画を描く時間は本当に取れない。けれど、取れない取れないと言っていたら永遠に描けないので、少しずつでも仕上げる事にした。残り30数ページ、いったい完成はいつになるのか見当もつかない。

 その点、小説は本当に早い。漫画に比べれば労力は10分の1くらいだ。もともと文章を書くのは苦にならないので、漫画を描けない間に小説を書くのは、いい経験になった。

 今後も、漫画と小説は両方続けていこうと思う。先の日記でも書いたけれど、漫画向きの作品と小説向きの作品があって、一長一短だからだ。よくロボットものやヒーローものの小説があるけれど、個人的にはどうも、いちばんコストがかからないからという理由で制作されているように思う。

 藤子・F・不二雄の享年は62歳。仮に同じくらいの年齢で死ぬとしたら、僕ももうそれほど時間が残されているわけではないかも知れないし、もっと早く死ぬかも知れない。これから、どれほどのことができるか。何作、描き遺せるか。ダメージ・リミテーションだ。やれるだけやってみよう。

2025年11月2日日曜日

【小説作品紹介】Light Years

 2022年よりWEB上で発表してきた小説作品を紹介していきます。

 ひとつめは2023年に書き上げた、女子高校生5人のフュージョンバンドが主役の「Light Years」。全187話で完結。


【ストーリー】
 主人公・大原ミチルは、南條科学技術工業高等学校フュージョン部に所属する2年生。キャンディ・ダルファーに憧れてアルトサックスを学んだミチルは、その演奏能力と行動力でバンドメンバーを引っ張ってゆく。
 ある日、ミチルは顧問の竹内から、フュージョン部は同好会への降格から廃部というルートが、職員会議の結果ほぼ規定路線となっている事を告げられる。提示された存続の条件は、ほとんど実現不可能な内容だった。

 肩を落とすミチルがひとりクラブハウス前を歩いていると、ふと今まで立ち入ったことのない、旧校舎時代の古いクラブハウスから、マイ・ケミカル・ロマンスの曲が微かに聴こえてくる。古びたアルミフレームのドアに手をかけたミチルに、ひとつの出会いが訪れ、ミチルたち「ザ・ライトイヤーズ」の物語が動き出すのだった。


 本作は2019年に描いた、パイロット版の漫画ネームが原案です。村治薫という物語のキーキャラは、漫画でミチルと同学年だったのが、小説ではひとつ下の後輩になっています。ロックバンドやジャズの作品は沢山あるものの、フュージョンというそれまで誰も題材にしてこなかったジャンルを主役に据えて、どう物語を展開させればいいのか? という不安はあったのですが、むしろそのマイナーさを逆手に取ればいいのではないか、と考えたら、すんなり物語の骨子が決まりました。
 せいぜい10万文字で、部活存続問題に決着がついたあたりで終わるつもりだったのですが、どうもここでは収まりがつかない、このキャラはもっと掘り下げたい、と考えているうちに、約115万文字にまでなってしまう事に。序盤で終わるはずだった、という点だけは銀河英雄伝説と同じだったりします。サイドキャラも話を追うごとに増えていって、数えていませんが、たぶん60人は下らないかと思います。100人は行ってないはず…

 せっかく書いたのだからと、その年のWEB小説大賞に応募し、一次選考は通過したものの二次で落選。まあ、小説を書き始めて2年目にしては、健闘したのではないかと思います。落ちた原因は文字数(単行本9〜10巻分)もあったのではないか、と今では思います。

 音楽理論の知識はほとんどなかったので、執筆中はわからない事を調べるのが大変だったんですが、その過程で僕自身も色々知ることができました。物語はフュージョンを軸として、小説の体裁を装った僕の好きな音楽のプレイリストのような内容になっています。そこに主人公や様々な登場人物や事件を絡め、悲喜こもごもの青春群像劇に仕上がったのではないか、と思います。ある読者さんからは、これこそ真の青春ドラマだ、と評していただきました。この場を借りて、お礼申し上げます。

 興味をお持ちいただけた方は、ぜひご一読ください。作品中に登場した一部楽曲のプレイリスト(Spotify)もまとめてあるので、聴きながらお読みいただければと思います。


2025年11月1日土曜日

七年漂流記


ここで最後に投稿したのが何と7年前。その間まあ色々と右往左往して、そのわりに何も達成できてないのが相変わらずの自分ではある。画像はゆうべRedditにアップしたハロウィンネタ。

Twitterはもう、Xになったあたりでやめてしまった。アカウントはそのままだけど、流れてくるポストのあまりの低劣さにウンザリしてしまった。朝から晩まで政治論争してて、時間がもったいないと思わないのだろうか。国の頭が代替わりするたびに、総理バンザイの大政翼賛会。

そうぼやく僕は何をしていたのかというと、まだ新型コロナが流行していた2022年より、人生初の小説をWEBにアップし始めた。


ペンネーム「塚原春海」は気に入ったので、しばらくこれで行く。なろうをメインに掲載してはいるが、なろうで主流の作風にはかすりもしていない。単にユーザーが多いから利用しているだけで、ほかにもカクヨム等にマルチ投稿している。ちなみに実績は2023年、『Light Years』という女子高校生がフュージョンバンドをやる作品が、ネット小説大賞で一次選考を通っただけで、それ以外はまるで読まれていない小説をコソコソと書き続け、4年弱で全作品トータル380万文字くらい(たぶん)になってしまった。最初の年にアップした「メイズラントヤード魔法捜査課」「絶対零度女学園」の2作品は、現在更新休止中。今は初のSF作品であるエリコの方舟」を連載中、だいたい70万文字くらいで完結できればと思っている。他にも試しに書き始めて、しっくりこないので放置中の作品がちらほら。

そもそも小説を書き始めたのは漫画を描く時間がなかったからなのだが、始めてみると作品によっては小説の方が向いていることがわかった。特に、前述の音楽ものと小説の親和性がこれほど高いとは思わなかった。漫画で音楽の演奏シーンを描くと、楽器の音は擬音で表すしか方法がなく、案外間抜けになってしまう。

漫画やイラストは相変わらずチマチマと描いてはいるが、全く何の成果もあげられていない。昔、青木雄二から将来性ありと太鼓判を押されたのだが、僕がバカだったせいで将来が一向にやって来ず、結婚もしないまま歳だけ食ってしまった。もう死んだほうが自分のためにも世のためにも良さそうだが、こんなろくでなしでも死んだら迷惑をかける人はいるので、そうもいかない。

エンタメ方面だと、2017年頃からリトルウィッチアカデミアにはまって以降、TRIGGER作品はいちおうチェックしている。グリッドマン、ダイナゼノン、プロメアは良かった。アニメは1話か2話で切るパターンが多い。期待した魔神創造伝ワタルは1話でもうだめだった。
ゲームは原神が楽しいけれど、育成が面倒くさすぎて放置中。もっぱらイース、テイルズ等の買い切りが中心で、Gravity DazeやBlood Stainedなども良かった。今はSteamでスケボーゲーム「Skate.」のアーリーアクセス版をプレイ中。

まあ正直言って、もう色々と疲れてきてはいるのだが、まだできる事もあるとは思うので、ここも時々更新していこうと思う。